独り言 「CLOUDY HEART」
過去を視る中で、避けて通ることができない人がいる。
長い月日を過ごした人。
たくさん、たくさん、傷つけてしまった人。
言い訳にしかならないけれど・・・、わたしは自分があまりに傷つきすぎていて、傷つけていたことすら気づいていなかった。
・・・Y・・・
「離れている間、何度も何度も「CLOUDY HEART」を聞いたよ。そして、2番の最初だけ違うけど、あとは全部俺たちのことをそのまま唄ってる。そう思ったよ」
再びつきあいだしたとき、あなたはそう言ったね。
「もうどこへも行くな・・・」
受話器の向こうであなたは、そっとつぶやいた。
でも・・・。
わたしたちは、どこかでいつもすれ違っていた。
お互いをもう一度失うことを恐れるあまり、ぶつかりあうことを避けていた。
すれ違いは、心に小石を投げ込むかのように少しずつ積もっていく。
あのころ、母との関係が悪化していたわたしは、必死にあなたに助けを求めていた。
わたしはあなたに助けてほしかった。
でも、あのとき、あなたは、わたしと別のものを、同時に選んだ。
それは、あなたにとっては、当たり前の選択で、責めることはできないって頭の中でわかっていたのに、それからのわたしは、あなたを傷つけてばかりだったね・・・。
別れを切り出したのは、わたしなのに、別れてからも心のどこかであなたのこと忘れられないでいた。
でも、もう一度伸ばしかけたわたしの手を、「もう傷つきたくない・・・」とあなたはふりほどいて、他の女性(ひと)と結婚したね。
わたしと同じ名前(字は違うけど)で、
わたしと同じ誕生日(生まれた年は違うけど)のひとと・・・。
あなたが、結婚してから少したって、Tちゃんに、「Yは元気なの?」って聞いたことがあった。
でも、Tちゃんは、「もう終わったことだから、お前は心配するな」って言って何も教えてくれなかった。
あの時は、世間話的に聞いたつもりだったのに・・・って思ったけど、今は、何も教えてくれなかったTちゃんに感謝してる。
それでも、あなたの勤めている会社のことが新聞で大きく報道されたときは、心配したよ。
・・・大変だったね・・・。
もう7年になるけれど、わたしも、結婚したよ。
あなたと出会ったのは、幼稚園のときだから、夫と出会ってからの時間はまだまだ短いけど、でも、あなたと一緒に過ごした時間よりも、結婚生活のほうがずっとずっと長くなったよ。
そして、あなたと一緒にいたころよりも、今はたくさん笑ってる。
自分を視ることができるようになったから。
ずっと、逃げてばかりいた悲しみも、苦しみも、怒りも、痛みも・・・、視ることができるようになったから、今はたくさん笑ってる。
あのころ、あなたとあなたの周りにいたひとたちを結果として、深く傷つけてしまった。
赦されるとは思えないけれど、それでもやっぱり、どうしても言いたい。
「ごめんなさい」
・・・そして、あなたの幸せを心から祈ってる・・・。
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